免震構造マンションを信用していない理由とは!?免震データ改ざんから思うこと。
数年前にも、「免震構造」に関する偽装(データ改ざん)がありましたが、本日、KYB免震データ改ざんが表面化することとなりました。
ニュース記事はこちら(各地の建物に懸念広がる KYB免震データ改ざん)をご参照いただければと思います。
目次
建築士としての視点から「免震構造マンション」は信用していません!
最近は、「自動車業界」においても検査データの不正・改ざんが話題となっていましたが、またまた「建設業界」にて、機能的なデータ改ざんが行われていたことが明るみとなりました。
まあ、私としては、特に驚きを感じることでは無くて、正直「やっぱりね」といった感覚でニュースを捉えています。
今回は「免震構造の肝となる免震機能」に関するデータ改ざんです。
*データ不正が行われていましたが、「震度6・震度7の地震」が来ても問題はありません。ご心配なく!
といった、会見がなされましたが・・。
毎回思うのは、「じゃあ、なんでデータを改ざんしなければ基準が満たせないのか?」ということ。
さらに
*じゃあ、そもそもの基準(安全基準値)は、何なの?
ということです。
誰でも、そう思いますよね?
今、定まっている「基準」は、もちろんしっかり余裕を見込んでいる値と思われます。相手は自然現象(地震)ですから、近年「想定外です」という言葉が頻繁に使われているように・・。
基本は、人が認識している範囲の出来事(地震力)をはるかに超える出来事が起きる可能性が十分にあるということを想定しておくことが必要なのです。
でも、実際はある程度の妥当性(現実的な配慮)を加味した上で、「基準」が設定されているわけです。
「基準」すら満たせていないのに、何故、どんな地震が来ても大丈夫と言えるのか?
「地震など」の自然現象に対して、「想定外なことが起こり得る」ということを想定しておくことが必要なわけですので、本来は「基準は満たしていたとしても、絶対大丈夫とは断言できない」と考えるのが普通ですよね。
断言はできないけれども「しっかり基準を満たしているから、安心してください」と言うのが本来の考え方です。
でも、今回のように、建築に関して、何か不正が発覚すると、毎回「データ不正はあったけど、大丈夫です」という見解が繰り返されることに。
そんなもの、信用に値しませんよ。
私が「免震構造マンション」を信用していない訳
まあ、ここまでお話したのは、「いいがげんにしなさいよ!建設業界」という文句でしたが。(苦笑)
私が、免震構造建築が登場したころから、「免震構造建築を信用していない」理由は別にあるんです。
それが・・・。
※暴風が吹いている時に大地震(震度5以上の揺れ)が来たらどうするの?どうなっちゃうの?
という大きな懸念があるからなんです。
あまり、専門的な難しいことは省きますが、基本的に「免震構造マンション」とは、「基礎と建物躯体が切り離されている」建物なんですね。
基礎と建物躯体は「免震ゴム」にて連結されており、地震の揺れが無いときは、「基礎と建物躯体がしっかり固定された状態」を維持しています。
一定規模の地震揺れが来た時に、固定が外れて、「免震ゴム」にて揺れを吸収する・・そんな仕組みが基本的な免震構造となっています。
だからこそ、問題なのは・・・。
じゃあ、暴風(風速20m以上)が建物を襲っている時に、大地震が来たらどうなるの?ということなんです。
正直、地震揺れによって、基礎と建物の固定が外れて、免震ゴムが力を受け持つこととなったとたんに、暴風の力が建物全体を超激しく揺さぶることとなっちゃう可能性が高いわけです。
例え、風が強いときは、免震が働かないように制御していたとしても、その盛業が上手く働くとは限りませんし・・。
免震が働かなければ、働かないで、今度は「地震力の影響」がもろに加わることに。
いずれにしても、免震構造の高層マンション・タワーマンションは。どうなってしまうのか・・。大惨事が生じる可能性も考えられなくはないわけです。
そもそも
*大地震と暴風が一緒に生じることなど、免震建物にて想定されていませんからね。
いつか、そんな大惨事が起きるのではないか・・免震建物を見るために、私は心配を感じてしまいます。