首都直下型地震(東京直下)のリクスとは!?

地震・火山活動の話

首都直下型地震

1923年関東地震(関東大震災)以降、東京都心部にて「震度7」を観測するような、首都圏での大規模は発生していません。

一度、焼け野原となっていこうに再建された、現在の都市環境下で大きな揺れは生じたことが無いのです。未知なるリスクが多々潜んでいる可能性があるんですね。

首都直下型地震(東京直下)とは!?

今の日本では、何か大きな自然災害(主に地震・津波など)が発生すると、その度に

『想定外の出来事だった』

と判を押したように、同じコメントが繰り返されています。

正直・・そんなことを言っているから、被害を少なく出来なかったり、復興を上手く進めることができなかったりしてしまうんですよね。

行政が発する「想定外の出来事だった」という言葉の中には

「だから、仕方がない」

「私たち(行政)の責任ではない」

という言葉が隠されているわけです。

もちろん、自然現象による”災害”は、本質的に「誰かの責任」ではありません。しかも、自然現象が発生してしまったことは「仕方が無い」ことです。

ただ、自然現象を”災害”に繋げてしまうかどうかは、「人の対応・行動・心がけ」によって大きく異なるもの。

ですから、自然現象によって、何か大きな災害が発生してしまった時は、まず「人側に何か不十分&不適切な対応・行動があった」ということを大前提として、その後の復興に取り組むこと及び検証をして、今後の災害減少に活かす事」が大切なんだと思っています。

基本として、自然現象に関しては、常に

●「想定外の出来事」が生じるのが自然災害である

という認識を持っておく必要があります。

そうすれば、すべての自然災害が「想定内」の出来事となるわけですね。

この意識があるのか無いのかによって、「防災対応」「復興対応」に大きな違いが生じて来るものと考えています。

主なる首都直下型地震(想定対象)

前談が長くなってしまいましたが・・。

何故、上記ような話をしたかというと、「首都直下型地震」という言葉は何かと使われていますが、現在の国・行政の対応を見ていると、首都圏にて生じうる大地震に関して、「想定外の出来事が起き得る」という意識を持っているようには思えないからです。

最近、「免震装置(ダンパー)の性能偽装事件」がありましたが、偽装事件に対して、行政側の対応は

  • 問題ありません

といった情報を発信しているだけ。

この言葉・対応の中に、集約されていると思うんですよね。

「想定外の自然災害が生じる可能性がある」という意識が欠如しているということが。

「免震装置(ダンパー)の性能偽装事件」の影響などに関しても、まだまだ言いたいことはありますが(笑)

ひとまず、置いといて。

「首都圏直下型地震」とは何か!?

についてお話してみたいと思います。

もしかしたら、「首都圏直下型地震」というと、昔の「関東地震(関東大震災)」をイメージする方も多いのではと思いますが・・。

実は、関東地震は、首都圏直下型地震には含まれていません。直下型地震には分類されていないということです。

それなら、首都圏直下型地震とは、具体的などんな地震をイメージ(行政での想定)しているのかというと、主となっているのが下記エリアでの地震となっています。

  • 東京湾北部でのプレート境界型地震(想定規模M7.3)
  • 関東平野北西縁断層帯での断層型地震(想定規模:M6.9)
  • 立川断層帯での断層型地震(想定規模M7.3)
  • 伊勢原断層帯での断層型地震(想定規模:M6.9)
  • 神縄・国府津-松田断層帯での断層型地震(想定規模:M6.9)
  • 三浦半島断層帯での断層型地震(想定規模:M6.9)

関東周辺の活断層マップはこちら。

少なくとも上記地震が首都圏直下型地震の対象となります。

首都圏直下型地震といっても、様々な種類があるわけですね。しかも、関東地域の全範囲に広がっていますので、どんな直下型地震が発生するのかによっても、その影響範囲及び影響の在り方が大きく異なることとなります。

想定しておくべき要素

実際には、中央防災会議にて、上記地震を含めて「18パターンの地震」を首都圏直下型地震として想定しています。

ですから、もう少し想定内容は多いんですね。

しかし、当然のことながら、まだまだ想定されていない要素の方が多いと考えておくべきこと。

現時点で想定に加えておくべき要素と考えているものをお話しておきたいと思います。

地震規模は、もっと大きくなる可能性がある

現状の地震規模想定は、「過去の地震活動」や「把握できている断層幅」などから算出されています。ゆえに、それなりの根拠はあるのですが・・。

やはり、全ての内陸断層型地震において「M7を超える大規模地震」となる可能性があると考えておく必要があるものと思っています。

まあ、実際には「地震規模」を意識するよりも、想定震源地(断層帯周辺など)では「震度7」を観測する可能性があることを意識しておいた方がいいかと。

”震度7”となると、住宅・建物が大規模損壊を生じる可能性があります。耐震性の低い建物だと全壊に。

少なくとも、住宅・建物を利用できなくなることは、しっかりと想定に加えておく必要があります。

*想定されている「地震規模」に捉われない。常に「避難の必要性」を前提とした家庭内防災計画をたてておきましょう。

他にも複数の「プレート境界型の地震」が存在

現時点では、「東京湾北部周辺」での1タイプのプレート境界型地震しか、想定されていませんが・・。

実際には、もっと多くのプレート境界型地震が存在しているものと考えられます。

というのも

関東周辺はプレート構造がとても複雑な状態となっており、プレート型境界面が多数存在しているんですね。

  • ユーラシアプレート(表面付近の地殻)
  • フィリピン海プレート
  • 関東フレグメント(プレートの断片)
  • 太平洋プレート

と4つのプレートが重なり合っている状態。それぞれのプレートの接点にて"プレート境界面"が存在しているわけです。

ですから、例えば、現在想定されている「東京湾北部周辺」においても、深さの異なる(違うプレート境界面での)プレート境界型地震が他にも存在することとなるのです。

*プレート境界型大地震の場合は、その後に大き目の余震・誘発地震が生じやすいことを念頭に。

未知なる「断層」が沢山存在している。

現在、知られている"活断層"というのは、地表面付近に断層が表れているものが対象となっています。

でも実際にはまだまだ地下に隠れている断層帯が多数存在しているものと考えられています。

ただ、深い部分(深部)での断層に関しては、地震が生じたとしても、"揺れ"の影響が小いさくなるものと推察されます。ゆえに、深部での断層帯に関しては、あまり意識する必要はないかと。

*まだまだ認知されていない「活断層」が沢山存在。日本全国すべての地域で大き目の断層型地震の可能性があることを前提としておきましょう。

首都直下型地震が発生した場合の影響(災害)とは!?

災害想定

実際に首都圏直下型地震が発生し、"震度7″を記録するようなエリアが生じることとなると、様々な被害が発生することが考えられます。

なんといっても、東京都心部は本当に「自然災害に対して脆弱な環境」となっていますからね。

どんな災害・影響が生じるのか・・とてもここで書ききれるものではありませんが、重要度の高い要素を中心に思いついたものを簡単に項目だけでも記してみたいと思います。

大規模火災&火災旋風

まず間違いなく首都直下型地震と共に発生するのが「大規模火災」です。まずは、広範囲にて、多数の火災が発生・点在。それが、徐々にエリア火災へと繋がっていくものと推察されます。

最も命の危険に直結する出来事かと。

*都心部では、大規模地震発生後の「大規模火災」に要注意。具体的な避難計画(行動)を必ずたてておきましょう。

頭上からの「建材落下(外壁・タイルなど)」

東京都心部は、中高層建物で埋め尽くされている状況です。

直下型地震が発生した場合、まず間違いなく生じるのが「建物の外壁・タイル・窓ガラス・看板などの落下」です。

高層・超高層建物が乱立しているエリアにおいては、さらに危険性が増すことに。本震発生後に余震が繰り返される度に、落下物が発生しますので、長き期間注意が必要な要素となります。

*あまり知られていないことですが、一定割合で施工不良の高層建物が存在。大規模地震時に「外壁落下」の可能性を認識しておきましょう。

地盤陥没

実は東京都では、河川・水路などが暗渠(地下に隠されている)となって多数存在しているんですよね。

直下型地震が発生すると、それらの暗渠が崩壊。広範囲で地盤陥没が発生する可能性があるのです。

*東京都内には、”暗渠(あんきょ)”と呼ばれている地下に埋設された河川などが多数存在しています。大地震時には、それらの上部が陥没する可能性が考えられます。

渋谷区周辺の暗渠(あんきょ)MAP

大停電の発生

東京周辺の電力の大半が、他地域からの送電によって賄われています。首都直下型地震の発生によって、送電網が大打撃を受ける可能性が高いんですね。その結果、大停電が長き期間発生することが推測されます。

●5日間~数週間の停電を念頭に。

ガス供給のストップ

インフラ設備の中で最も大打撃を受けるのが「ガス設備」です。設備配管に損傷はなかったとしても、供給ルート点検が完了しない限り、ガスの供給は成されません。

首都直下型地震の場合は、かなり長き期間、ガス供給がストップすることが推測できます。

●2週間~2か月程度

給排水設備が利用不可に。

ガス設備と同様に「給水・排水設備」も使用不可となるエリアが生じます。特に、地盤の弱い「東京23区」「利根川・江戸川周辺地域」「湾岸沿いエリア」などでは、給排水設備のダメージが大きくなる可能性が。

給水・排水共に、一ヶ月以上使用不可となる可能性も念頭にしておきたいものです。

●1週間~2ヶ月程度

大規模洪水の発生(河川氾濫・堤防決壊)

利根川・江戸川周辺では、河川水面よりも、標高の低い地域が存在しています。首都直下型地震が発生した場合、「河川の堤防が決壊する可能性」があります。

その場合、河川周辺地域でけでなく、都心部エリアも大規模洪水に見舞われることが推測されています。避難計画をする上で絶対に考慮しておかなければいけない要素のひとつとなります。

特に「江東5区」の大半が浸水・水没する可能性があります。

大地震後の「堤防決壊の有無」の確認を忘れずに。

東京都「洪水浸水想定区域」
東京都「高潮浸水想定区域」
江戸川区水害ハザードマップ
水害に対する避難計画(備え)のポイント

ATM機能の停止&電子決済の停止

現在、首都圏において、様々な場面でカード決済(電子決済)を利用している方が増えていますが・・。そんな決済方式は、自然災害に対して、実に脆弱なものに。東京都心部を中心とした大規模被害が発生すると、電子決済などが利用できなくなることが推測されます。

実際、地震災害が発生した後は、「現金」でないと何も対応できなくなったりしますからね。それが日本の現実なんです。

携帯電話は不通に

東京都心部が地震災害に遭遇すると、携帯電話基地局(アンテナ)が広域で損傷を受けることが推測できます。その結果、携帯電話は使用不可に。やっはり、情報収集手段として、広域から電波を拾える「ラジオ」は必需品となります。

多機能防災ラジオ(スマホへの充電可能、手回し充電、ソーラー充電完備、乾電池対応、モバイルバッテリ搭載、LEDライト搭載など)

地盤の液状化

河川周辺地域・湾岸地域を中心に広範囲で「地盤の液状化現象」が発生することが推測されます。液状化が生じたエリアでは、主に「給排水設備」が一ヶ月以上使用不可能となる可能性が。

住宅への被害も大きくなります。

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2019年6月11日地震・火山活動の話地震活動,首都直下型地震

Posted by poppo