公的機関で何故”地震予知”という言葉が多用されるのでしょうか?!

地震予知

地震予知

当ブログでは、「地震予測」と「地震予知」という言葉を明確に使い分ています。(地震予測と地震予知の使い分け)私がブログなどで発信しているのは、「地震予測情報」です。

私がこのように”言葉の使い分け”を強く意識しているのは、どうしても「予測」と「予知」では、人に与える印象が大きく異なるから。

言語学上では、「予知」も「予測をすること」と同義語的に位置づけられていますので、「予知」と「予測」も同じような形で使用しても良いのでしょうが・・・。

実際の生活上では、”言葉”というのは、「本来の意味」が重要なのではなくて、「相手にどのように伝わるか」が大切なんだと思うんですよね。

そういう意味で、「予知」と「予測」では、多くの方が受け取る言葉の印象(ニュアンス)が大いに異なる様に思うのですが・・・いかがですか?

「地震予知」という言葉に対する疑問。

振り返ると、私は子供の頃から、ひとつの疑問を抱いていたものと感じています。それが・・。

何故、「地震」や「噴火」に関しては、「予知」という言葉ばかりが使われるのか?

ということです。

言葉の定義としても、「予知」は「予測」を意味しているのであれば、積極的に「予測」という言葉を利用したほうがいいのでは?と思うんですよね。

実際、多くの人々の生活に浸透している「天気」「花粉飛散」「桜前線」などの情報に関しては、「予測」「予報」という言葉が使われています。「予知」という言葉は一切使われていないんですよね。

  • 天気予知
  • 台風予知
  • 花粉飛散予知
  • 桜開花予知

などとは、言いませんよね。

*「地震」や「噴火」は「天気」「台風」などと比較して”不確かさ”が大きい要素だから。

ということで、”予知”と”予測”を使い分けているのかもしれませんが、「天気」であっても「台風」であっても、不確かさが存在する要素です。そういう意味では、「地震」も「噴火」も同じこと。

日常生活において、”使いやすい情報””受け入れやすい情報”とするためには、地震活動・噴火活動に関しても、「地震予測」「噴火予測」という表現を主体としたほうが、浸透しやすいのではないでしょうか。

「予知」を「予測」に変更することで、もっと身近な情報に。

私としては、もっと「地震予測(情報)」「火山予測(情報)」などを身近で日常的な情報として、受け止め、活用されるようになるといいなぁ~という思いを抱いています。

「天気予報(予測)」感覚で、「地震予測情報」「火山予測情報」に日々触れ合う(活用)ようになれば、少なくとも、地震や火山活動(噴火)を特別視しなくなるのではないかと思うのです。

その結果、”地震”や”火山”に対して、無用な恐れを抱くことも少なくなってくるでしょうし。実際に、地震や噴火に遭遇したときも、慌てずに済む(パニックとならない)ようにもなっていくと思うんですよね。

”特別な出来事”という意識があるうちは、”恐れ”や”パニック”などが生じてしまいやすいものですから。

そのための第一歩として、個人的に提言したいのが

  • 公的機関での名称などは、「予知」を改め「予測」と表記するようにする

ということです。

「地震予知」という言葉を多用している公的機関。

地震活動や火山活動の研究に関連した公的機関の大半に”予知”と言う言葉が使用されているのが現状です。

例えば、国土地理院内に設置されている

地震予知連絡会(http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/)

などが有名な公的機関として知られています。

でも、この「地震予知連絡会」では、”地震予知情報の発信”などは行っていないんですよね。世とは行っていないわけです。

地震予知に関する調査・観測・研究結果などの情報交換,および学術的な検討や総合的判断を行なう専門家会議

という位置づけとなのです。学術的な研究が中心なのですから、尚更、「予知」という言葉ではなく「予測」という言葉を使用したほうが適切だと思うんですよね。

他にも、大学機関や公益財団法人などでも、「地震予測」という言葉が多用されているのが実情です。

東北大学 地震・噴火予知研究所観測センター
公益財団法人 地震予知総合研究振興会
京都大学防災研究所付属・地震予知研究センター

など大半、「予知」と言う言葉が使われています。しかも、いずれも共通して、「地震予知(予測)情報は発信していない」状況。地震活動や噴火活動を学術的に研究している機関と言えます。

まあ、京都大学防災研究所付属・地震予知研究センターに関しては、その目的として

本研究センターは、固体地球科学を基礎とした多くの研究分野の緊密な協力によって、地震予知に関する基礎研究と技術開発を行うとともに、地震発生のメカニズムを解明し、最終的に地震予知手法を確立し、地震災害の軽減に資することを目的としている。

いずれは、地震予測情報の発信に繋げていきたいという目標はあるのかもしれませんが・・もっと、地震予測のトライアンドエラーを繰り返していくべきだと思うんですよね。

そのためにも「地震予知」という言葉を「地震予測」と改めた方が良いのではと感じています。

だって、「あくまで学術的な情報ですが・・地震予知を発表します」なんて、情報公開があったら、大半の人が”地震予知”と言う言葉に、変な意味(予知された)を重ねて捉えてしまうことが想像できますので。

ぜひ、積極的に「予知」を「予測」へと置き換えていってもらえたらと願っています。

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Posted by poppo