地震の予兆を告げる「地震雲」は本当に存在するのでしょうか?!
少し大きな地震が発生すると、世の中「地震前兆」に関する情報が急激に増加するんですよね。そんなひとつの要素となっているのが『地震雲』という存在です。
地震前兆を示す自然現象として、昔から存在している”地震雲”という言葉。(これは気象的な言葉ではありません。)今回は、そんな地震雲に関して、私の考え方(捉え方)をお話してみたいと思います。
目次
”地震雲”は本当に存在するのか?!
地震雲と呼ばれている代表的な雲の形1:帯雲
地震雲に関して、私の考え方をお話する前に、まずは一般的に地震雲と呼ばれている雲の形に関して、少しお話してみたいと思います。
まず、地震雲と呼ばれる代表的な雲が「帯雲(帯状雲)」です(上記写真)。
このような一本線のような雲が表れると、”大地震の前兆だ~”という噂話がSNS上などで一気に拡散されるんですよね。(汗)。そのたびに、私の基にも多くのご質問などが届くこととなります。(苦笑)
このような線状の雲は、人為的な現象とも言える「飛行機雲」にも見られる要素。ゆえに、飛行機雲を見て、”地震前兆が表れた・・”と思ってしまう方も少なくないようです。
地震雲と呼ばれている代表的な雲の形2:竜巻雲
大地震の前兆として、語られることが多いのが「竜巻雲」と呼ばれている雲です。上記写真のように、捻じられた線状の雲が縦位置で存在しているのが特徴となっています。
阪神大震災の時に、上記のような雲が地震発生数日前に観測されていたことから、地震雲としての知名度が高まってきたものと感じています。
地震雲と呼ばれている代表的な雲の形3:さざなみ雲(波状雲)
上記写真のように、”さざ波”のように均等に整列した雲が「さざなみ雲」と呼ばれています。この雲は、気象学的には「波状雲」と呼ばれているもの。秋季節などに多く見られる雲となっています。
”さざなみ雲”に関しては、大規模地震に限らず、中規模地震の前兆としても、多々語られているように感じています。
地震活動(前兆)によって、雲(地震雲)が形成されることはありません。
これは、もちろん私の経験上(30年程度)から導き出した、考え方(地震前兆に関する)なのですが。
地震活動によって、雲が形成されるということは無い と考えています。ゆえに、地震雲も存在しないものと考えているのです。実際、25年程度地震予測情報を発信してきていますが、”地震雲があったから、地震の可能性が・・・”という表現を使ったことはありません。
それは、もともと自然の仕組みを考えたときに、地震活動によって、雲が形成されるということは無いと感覚的に感じていたからなんですね。
ですから、上記に示した、「帯状雲」「竜巻雲」は地震の前兆を示す要素ではないと私は考えております。
”雲”に関連した地震前兆と言える2つの要素(出来事)。
地震雲の存在を否定しておきながら・・矛盾するようなお話をすることとなりますが。(苦笑)
”雲”を対象として、地震前兆を見極めることが出来ないのか・・というと、実は地震前兆を見出せる2つの要素があるんですよね。それが・・。
*不自然な雲の消滅エリアの存在
という要素なのです。
先ほど、「帯状雲」と「竜巻雲」は明確に地震前兆を示す要素とはならないと記したわけですが、そこに「さざなみ雲」を記さなかった訳があるんですね。
それが「地震エネルギーを感じさせる波状雲」という存在があるからなんです。
地震活動が存在していると、地震エネルギーが発散されることとなるのですが、特に地震前兆が生じたときに、地震エネルギーが電磁波として放出されるものと考えています。
私の体感感覚でも、「電磁波系の体感を感知した」と表現するときがありますが、それはまさに地震前兆に伴う地震エネルギー(電磁波)の放出を体感で感知したことを意味しているのです。
この地震活動に伴い放出された地震エネルギー(電磁波)が現存する雲に作用して、形を波状に変える・・・その結果、波状雲となるパターンが存在しているのです。
”電磁波”は、名前に記されているように”波”ですので、電磁波(地震エネルギー)が放出され、伝達された道上に雲があったときに、雲の形が波状になる・・・そのように理解しているのです。
ですから、”さざなみ雲”という地震雲が存在しているわけではないのですが、そんな波状雲の中には、地震エネルギーの伝達(放出)が目に見える形となって表れたものが存在していると考えているのです。
「波状雲があるから地震前兆の存在を知る」ことが出来るわけではなくて、あくまでも「地震エネルギー(地震前兆時に発散される電磁波)の存在が感知できる」ことによって、地震前兆の存在を判断できるわけです。ここが重要なポイントなんですね。
簡単に言えば、”波状雲の存在”自体が地震前兆判断に活用できるわけでは無いということです。
地震前兆を判断できる”不自然な雲の消滅”
私が地震雲は存在しない・・と考えるもうひとつの根拠ともなるのが・・。
”不自然な雲の消滅”が地震前兆を表れているケースがある
と考えていることです。
これは、地上から観察できる現象でははなくて、あくまでも気象衛星から観察できる出来事なのですが。規模の大き目な地震活動が始動した時(地震活動の予兆が発生)には、地震エネルギーの放出によって、雲が消滅されるというケースがあるものと考えているのです。
地震エネルギーの放出は、「雲を形成」するのではなくて、「雲を消滅」させるんですね。私は体験的にそのような仕組みがあるものと感じています。
大きな地震エネルギーが地表面から大気中に発散されたときに、そのような出来事が生じるものと理解しています。
そんなときには、地震エネルギーが放出された地表面地点を中心として、円形状に雲が不自然に消滅することとなります。
ちなみに、地震エネルギーが放出される地表面地点は、震源位置と俯瞰にて位置が大きく異なっている(ズレている)ケースも多々あります。ゆえに、雲消滅エリアの中心が震源位置というわけではありません。
ただし、この”雲の消滅”に関しても、もちろん気象的な現象のケースもあるもの。やはり地震エネルギーの存在が感じられるかどうかが重要な要素となるのです。
結論:雲は季節や天候変化を表す要素として、楽しみの対象に!
地震前兆(地震エネルギーの放出)が雲に影響を与えるケースは存在しています。しかし、結局、地震前兆を判断する上で必須な要素となるのが”地震エネルギーの有無”なんですね。
”波状雲”にしても、”雲の消滅”にしても、そこに地震エネルギー(電磁波)の存在が感じられなければ、単なる気象的な現象に過ぎないのです。
ゆえに、自然エネルギー感覚(自然エネルギーを感じる感覚)や電磁波感覚(電磁波の存在を感じる感覚)を持っている方であれば、”波状雲”や”雲の消滅”から地震前兆を見極めることが可能となりますが、それらの感覚を有していない方にとっては、地震前兆を感じる手段とはならないもの。
雲は、季節変化や天候変化・・自然環境の移ろい・変化を示す要素。自然の息吹を感じる対象として、楽しんでいただければと思っています。
そんな『雲の様々な楽しさ』を伝えてくれる情報源として、私も楽しませていただいているのが、こちら気象庁気象研究所研究官であり、雲研究者でもある荒木健太郎さんのツイッターです。
荒木さんは、「雲の中では何が起こっているのか」という著作者としても知られています。
勝手に、私の自然観と同じ自然観を持っている方なのではと思っておりまして(笑)、気象関連の情報源とするとともに、雲に関連した自然の情景を楽しませていただいています。雲の楽しさに触れてみてはいかがでしょうか。