【地震雲?】山形県沖(M6.7)地震の当日に現れた雲に対する見解

先日6月18日に発生した「山形沖 M6.7」に関連した、あるニュースが話題となっています。それが
*当日(6月18日)秋田県内にて観測されていた「波状雲」は「地震雲」だったのではないか?
というもの。
まあ、この手の話は大き目の地震が生じたときに、度々流れる情報のひとつなのですが・・。
少々今回はSNS上の反応にて、違和感を感じることがありましたので、ここで個人的な見解をお話してみたいと思います。
目次
2019年6月18日に現れた「波状雲」と「山形県沖の地震」
事の発端は、「山形県沖 M6.7(2019年6月18日22時22分)」が発生した同日昼に、秋田県内で観測された”波状雲”に関するニュースメティア投稿及びSNS投稿だったようです。
地震雲?18日夕方に目撃情報 太い棒状の雲、由利本荘市で https://t.co/WWvLsGxi2J
— 共同通信公式 (@kyodo_official) 2019年6月21日
上記投稿は一例ではありますが、「共同通信」などの大手メディアが情報配信したことから、反応が拡大したようですね。
毎度のことではありますが、反応は賛否両論で、「地震雲肯定派」と「地震雲否定派」に分かれた反応が目立っています。
そもそも、何でもかんでも、「変わった形の雲」があったら”地震前兆”と結びつけてしまうのは、論外だと思っていますが・・。
今回のケースに関して、違和感を感じたのは、逆に「地震雲否定派」の人々が
・今回の「波状雲」は気象的に説明できるもので、地震とはまったく関係がない
ということを強く語る方が目立っているということです。
*「地震雲」という雲(現象)はない
ということは私も同感ですが
*「雲(波状雲など)」と「地震」は無関係
ということには、大きな違和感を感じています。
それこそ、自然科学の視点から考えて”無関係”といってしまうのは、論理性に欠けるのではないかと私は考えています。
地震予測に役立つ「地震雲」は存在していません。
こちらの記事:地震の予兆を告げる「地震雲」は本当に存在するのでしょうか?!でも、お話しているように、私も「地震雲」は存在していない。
*「雲(地震雲)」で地震予測はできない
と考えています。
ただ、勘違いしてほしくないのは、「雲(波状雲など)」で地震予測はできないけれども、「地震と雲には関連性が存在している」ということです。
けして、「雲」と「地震」は無関係ではないということなんですね。
6月18日の「波状雲」は地震と関係があったものと考えます
6月18日の日中に観測された”波状雲”を直接観察できたわけではありませんので、そこに地震エネルギー(電磁波)が存在していたかどうかはわかりません。
ただ、同日昼に”波状雲”が確認されて、同日夜に”山形沖M6.7”が発生したことを考えると。
今回のケースでは、秋田県内で観測された”波状雲”は同日夜の地震の影響があったと考えることが自然なものと捉えています。
*6月18日の「山形沖M6.7地震」と「波状雲」は関係性がある
と私は思っています。
その”関係性”に関して、2つの仕組み(関係性)が考えられます。それが・・。
1)地震誘発されやすい自然環境を示した「雲」の可能性
2)地震発生直前の電磁波放出による影響の可能性
です。
1)地震誘発されやすい自然環境を示した「雲」の可能性
一番可能性が高いのではと思っているのが
*今回の”波状雲”は、地震が誘発されやすい自然環境であることを示していた
というパターンです。
「地震前兆が雲として表れていた」
というのと、因果関係がまったく逆で、「地震を誘発する作用が存在している自然環境下にて、今回の波状雲が作られた」という考え方です。
この考え方のベースとなっているのが
*波状雲が生じた同日に地震が発生した
ということ。
地震を誘発するような作用(力)が存在する自然環境下にて、”波状雲”が作られたとともに、地震が誘発されてきたということです。
地震が誘発されやすい自然環境だったからといって、必ず地震が誘発されてくるわけではありませんので、「波状雲」と「地震」との間に直接的な関係性はありませんが、間接的な関係性が存在していたのです。
2)地震発生直前の電磁波放出による影響の可能性
もうひとつのパターンが
*地震発生直前の電磁波放出による影響も加わって、今回のような形・大きさの”波状雲”が作られた
という仕組みです。
この場合は、「地震(地震前兆)」と「波状雲」との間に直接的な関係性があることとなります。
基本的に「雲」は”水分”と”温度変化””気圧変化”の作用で作られるといわれていますが、実際には、もっと多種多様な自然要素が雲の生成に影響を与えているのです。
・太陽光(紫外線)
・気流
・大気内の微粒子(大きさ、種類など)
・電磁波(磁場、紫外線、電波など)
・水分(質、量)
・気温(熱)
・気圧
・地形
など
様々な要素が「雲の生成」に関連しており、さらに上記それぞれの要素をもたらす自然要素(海、川、樹木、都市環境など)が多数存在しているわけです。
細分化していけば、私たち人が創出している「建物(特に高層建物など)」なども、”雲”を形作る一つの要因となっているのです。
「地震」は代表的な自然現象であり、自然環境と深いかかわりがある要素。
地震活動に伴って、様々なエネルギー(電磁波、揺れなど)が創出・放出されていることは、科学的にも知られていることです。
特に、地震活動に伴う”電磁波(磁場も含まれています)”は、大気中の微粒子や地場に影響を与える要素であり、「雲の生成」に関連する要素となり得るわけです。
「天気予測」は科学で「地震予測」はオカルトには大きな違和感が!
今回、一番違和感を感じるポイントとなったのが
*「天気予報(予測)」は科学で「地震予測」はオカルト
*「地震」と「雲」は無関係
という2つの要素が強調されていたことです。
まあ、現時点で予測手法には、大きな違いがあるのは事実ですが・・。
「晴れか雨か」を考えること(予測)と「地震が発生するかどうか」を考えること(予測)は、同じ自然現象を対象としているものであるとともに、やっていること(予測)には、ほとんど違いがないと考えています。
”天気予測(予報)”だって、度々間違った結果(予測はずれ)となりますから。時には、予測と真逆の結果(天気)となることも少なくありません。
現時点で、予測精度においても「天気予測」と「地震予測」に大きな差がありますが。
*「地震予測」自体を否定するような必要はない
と思うんですよね。
どんな事象においても”予測”に「100%」は存在していません。
”予測”というのは
*その情報を「利用するのかしないのか」
*どのように利用するのか
を各自が決めればよいこと。その賛否を他人に強要する必要はないものです。
特に、今回「秋田県内で観測された波状雲」に関して。
それが地震前兆ではなのか?と思った方(予測した方)へ
*それは地震前兆を示すものではない
*地震前兆ではない
とわざわざ強弁する必要が何故あるのでしょうか?
実際、当日に大き目地震が発生する結果となったわけです。
繰り返しになりますが、私も「地震雲は存在していない」と考えていますし、「波状雲などにて地震予測はできない」と思っています。
でも、”波状雲”など違和感を感じる雲を見て、「地震に注意しよう」と思うことは、否定しないどころか、本質的には推奨したいほどです。
大々的に推奨できないのは
*変わった形の雲を見る度に、大規模地震に対する不要な”恐れ(恐怖)”を抱く人が多いから
なんですね。
”恐れ(恐怖心)”を抱くことなく、「雨が降るかも」「雷が来るかも」と同じように、「地震が来るかも」と思うこと(心構えを持つ)は、とっても有意義なことだと考えています。
そういう日々自然をを眺めながら、その後の推移を思うことは、「自然との共生」の大切な要素のひとつですので。