WEB地図を防災対策(自然災害)に活かす方法!
台風3号の襲来に伴い、「福岡県・大分県周辺」「島根県周辺」などで、局地的な豪雨が発生。多くの河川氾濫被害が生じることとなりました。
また、大分県の山間部などでは、大規模な地滑り・土砂崩れが発生。各地で多数の土砂崩れ被害が発生しています。こちらの記事(今年(2017年)の台風で気を付けておきたい要素?!)でお話していましたが、今年の台風は「大規模な土砂崩れ・地滑り」を生じさせやすい傾向があります。
今年、最初に訪れてきた台風(台風3号)にて、早々に大規模土砂崩れが生じてしまうこととなりました。台風は、これからの夏季節が本番。今回は、自然災害対策(防災)に役立つお話をしてみたいと思います。
目次
WEB地図を上手に活用!「浸水被害の可能性」「避難所」の確認
近年のスマホの普及と共に、多様な情報が盛り込まれるようになっているのが「地図情報」です。特に、インターネット上で利用できる”WEB地図”の情報量が増大。手軽に、様々な情報を入手できるようになりました。
私は、本業(建築士)の関係上、WEB地図は頻繁に活用しています。また、当ブログに関連して、地震活動や火山活動など自然現象&自然災害の情報入手・検証のためにも、WEB地図情報を頻繁に利用しています。
そんな中から、自然災害対策に活用できる要素を2つほどご紹介したいと思います。
1)地理院地図の活用
近年、情報量が増加。とても利用しやすくなったのが、国土地理院が提供している「地理院地図」です。単なる日本地図ではなく、地図表記方法(色付け、白地図など)の他に、海抜標高表示などの多くの情報が入手できるものとなっています。
使い方は、いろいろありまして・・話始めるとキリがありませんので、一度は確認しておくといいのでは?と思える2つの情報をご紹介しておきたいと思います。
1.地理院地図(海抜標高色分け図)
まず、地理院地図のベーシック情報のひとつがこちらの「海抜標高色分け図」です。海抜標高に関しては、地図上に数値で表記されていますので、詳細な値は数字で確認できるのですが、正直、一般の方にとって、数字を見ているだけでは、状況をなかなか把握できないものです。
そこで、視覚的に海抜標高の高さの違いが分かるようにと、色分け表記された地図なんですね。”青色”が海抜が低く、”赤色”に近づくにつれて、海抜が高くなっています。
台風・豪雨・津波などの自然現象に対して、住んでいる地域・場所が”洪水”被害の可能性があるのかどうかをザックリと知ることが可能です。「河川・池・湖・海」が含まれているエリアと同じ色もしくは、それよりも低い色表記(海抜の違い)となっているのがとうかを確認してみていただければと思います。
2.地理院地図:指定緊急避難場所の表記
地理院地図内では、「トピック」という項目がありまして、様々なデータを地図上に付加することが出来るようになっています。そんなひとつの要素として、ぜひ、一度ご確認いただければと思うのが、こちらの「指定緊急避難場所の表記」です。
地図を拡大していくと、各地の指定緊急避難場所が明記されているのを確認することが出来る地図です。日本全国の避難場所をいつでも、手軽に確認できるのがポイント。居住地はもちろんのこと仕事先や旅行先などの指定緊急避難場所も知っておくといいですよね。
ここで、大切なこととして、ぜひ、認識しておいていただきたいのが、この指定緊急避難場所は、対象となる自然災害によって、場所が異なるということ。自然現象によって、必要な対処要素は異なりますので、避難所も違ってくるのは、当然のことなんです。
こちらの地図では、トピックの中から「洪水」「崖崩れ&地滑り」「高潮」「地震」「津波」「大規模な火事」「内水氾濫」「火山現象」の9種類の指定緊急避難場所が表示されるようになっています。
2)FLOOD MAP
「高潮」「津波」「河川氾濫」に関連した情報を視覚的に把握することが出来るWEB地図がこちらのFLOOD MAP です。海外のサイトではありますが、日本全土の状況を把握することが出来ます。
使い方としては、”海抜数値”を選べるように(プルダウンメニューから)なっていまして、例えば「+5」を選ぶと、海抜+5mの範囲が地図上に青色で表記されます。
”津波”や”高潮”に対して、どの地域・エリアが浸水・洪水被害を受ける可能性があるのかを視覚的に把握することが出来るのです。
”河川の氾濫”に関しては、自分自身が住んでいる場所の最も近くに存在する川周辺などの海抜よりも、高い海抜表記に設定してみると、浸水・洪水の可能性があるのかないのかの目安を把握することが出来るものと思います。